人は
目に見える事実がホントウだとだと思ってしまう
だけど実際には
目に見えない真実は行き場がないままたくさん転がってる

事実の裏に隠された真実は誰にも分からなくて
君のあの時の嘘があたしのためだとか
君はあたしを愛してたからああするしかなかったとか
そんな真実はあたしには分かりっこなかった

君のあのときの行動しかあたしには見えていないんだから

真実は目に見えないから信じるのが大変で
事実は目に見えるから容易く信じてしまう

ねぇそうでしょ?

だから今更
君の身体が冷たくなった今
そんなこと言われても困るから
君の字で語られた内容はあたしに重くのしかかるだけ

真実は見えないんだから見えないままでいいんだよ

今のあたしには
目を二度と開けない君が事実なんだ
あの時の君が事実なんだ

真実は知りたくなんかなかったよ

白い紙に書かれた君の字と冷たくなった君の身体
滲む字
空っぽになったあたしの肉体

真実っていったいなんなのよ

真実なんか知ってしまったら
事実が痛いほど身体に突き刺さってきた
容赦なく何度も何度も
跡形もなくなるくらいに









あとがき
ある人がとった行動を見ることしかできないあたしたちはある人の行動の真意など
大して考えずに判断をしている。
真実を追い求めることがいいと言っているわけでなく事実を鵜呑みにするなと言っているわけでなく
ただ人は目に見えるものを評価し、目に見えないことを評価することができない。というか難しい。
見えないものを信じるという作業はとても高尚で勇気のいることで。
だからきっと愛は狂おしいんだ。そんな風に思います。


040415 アイコ